History

焼酎の歴史不思議な日本とカンボジアそしてフランスとの関係

インドシナ半島から琉球・薩摩へ

「ソラクメール」は麹で醸した高品質のスピリッツ(蒸留酒)で、その基本的な製法は日本の本格米焼酎(単式蒸留米焼酎)と同じです。
日本の焼酎の製法は、15世紀にシャム王国(タイ)から糖蜜と米の蒸留酒が琉球(沖縄)に伝わり、薩摩を経由して列島に広まったと考えられ、14世紀の中国の文献には、タイやカンボジアを含むインドシナ半島で蒸留酒造りがなされていたことが記されています。
つまり、カンボジアは日本の焼酎の母国のような存在とも言えます。

高級酒造りにチャレンジ

カンボジアにはこれまで高級酒という発想はなく、クマエ蒸留はカンボジアで初めて高級酒造りにチャレンジしました。
酒造りにあたっては、IMCCDの地雷撤去活動の応援者でもある愛媛県「桜うづまき酒造」の篠原成行会長に黒麹の提供を受け、助言を賜りながら、カンボジアならではの高温多湿な環境のもと、独自の発酵・蒸留・熟成工程を確立させました。
「桜うづまき酒造」は、平安時代の『延喜式』にも記述がある國津比古命神社の宮司に起源を持つ由緒正しい酒蔵です。

パリで受賞した運命

「ソラクメール」は、まるで焼酎のルーツを遡るように、日本からカンボジアへと麹と酒造りの知見が渡り、両国のいいとこ取りによって生まれたのです。
そしてフランスのリヨンで多くのフランス人バイヤーに認められパリで受賞したソラクメールを生んだ、このカンボジアの旧宗主国は実はフランスだったのです。
これらの全ての連関に運命的な何か不思議なものを感じざるを得ません。